優しい月

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「・・・佐竹の言う情報とは転校生のことであろう?」 麻神さんは、お弁当を食べながら勇次に言った。 「なんで、麻神知ってんだ!? 俺様の極秘ルートによる情報だったはずなのに!」 「ふぅ……私を誰だと思っている? 元生徒会長だぞ。そっち経由で情報は流れてくるわ。」 さすがは麻神さんだ。 ちなみに麻神さんは剣道部の元主将でもある。 「この時期に転校生? で、どんな人が来るんだ?」 俺は少し興味がでたので二人に聞いてみた。 「きいて驚くなよ。なんと! ・・・・・こっからは有料だ。」 勇次は手を出していた。 「・・・・転校生は、留学生・・外人の女性らしいぞ。」 「さすがは麻神さん! ありがとう! ・・・勇次とは大違いだ。」 俺は、麻神さんの肩を叩いて感謝した。 「! み、水無月だから教えたんだ。わ、わたしは・・・。」 モジモジと顔を真っ赤にしながら麻神さんは弁当をかき混ぜていた。 「・・・・麻神。キモいぞ。」 勇次は、未知の生物を見るような目で麻神さんに呟いた。 「!! き、貴様! そこになおれ!」 「うお! あ、麻神! 木刀とかとかどこに持ってたんだ!!」 麻神さんと勇次は追いかけっこをはじめた。 ・・・平和だな。 俺はその様子を眺めていた。
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