prologue:輝けるはず

7/7
前へ
/40ページ
次へ
僕は一つ思いついたことを言った。 「ぼくがお月さまなら、しょうみ姉ちゃんはお日さまだよね!」 それを聴いたしょうみ姉ちゃんは、ちょっとびっくりしたような顔してぼくを見た。 「だって、しょうみ姉ちゃんはいつもニコニコしてるし、ぼくにとてもやさしいし、えーと・・・・とにかくお日さまみたいに、ぼくを見守ってくれてるから!」 うまく伝わったか分からないけど、しょうみ姉ちゃんはお日さまみたいに微笑んでいた。 「うふふ。お日様か・・・輝矢くん、ありがとうね。私が太陽で輝矢くんは月になるわね。じゃあ、私はいっぱい輝矢くんに光を上げるから、いっぱいいっぱい輝いてね。」 僕は首を縦に振りながらにっこりと笑った。 「ぼく、いっぱいかがやいてみせるよ! しょうみ姉ちゃん、ありがとう! 元気になったよ!」 僕は空に浮かぶ月を見上げた。 その横でしょうみ姉ちゃんは、僕を見ていた。微笑みを浮かべて見つめていた。 僕はこの日をさかいに、変わり始めていった。 みんなに見られるために。 月のように優しい光を照らせるように。 そして、しょうみ姉ちゃんにいつまでも見ていられるようになるために・・・・僕は歩き始めた。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加