優しい月

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ジリリリリリリィ! 目覚ましが鳴り、私は目が覚めた。 いつも通りの時間です。 私は少しフラフラしながら、体を起こして目覚ましを止めました。 ただいまの時刻は5時です。 「・・・ふぅ。」 なんだかまだ布団に入っていたいのだけど、起きてしなきゃいけないことがあります。 「さてと。」 私の朝の仕事は、お昼のお弁当を作ることです。 いつも通りの朝の習慣。 一通り準備も終わり、学校に行く準備をします。 出掛ける前にいつも通りにあいさつ。 「お父さん、お母さん。行って参ります。」 一人、仏壇の前であいさつをする。 私の両親は、交通事故で亡くなりました。 私は一人ぼっちになりました。 高校を卒業してすぐの出来事でした。 あれから五年・・・私は一人で生活しています。 今でこそ一人で居ることになれてきましたが、昔はヒドかったです。 本当にヒドく心が壊れていたと思います。 あの子がいたから私は立ち直れたと思っています。 私はいつも通りの目的地に向かいました。 玄関の前に立ち、チャイムを押します。 ピンポーン 「開いてるよ! しょうみネエ!」 いつも通りの声。 私の一日はこうやって始まります。
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