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(……つまらない)
浦島志郎の最近の悩みだった。
つまらない、退屈、面白いことが何一つない。
それは彼を悩ませるに十分な理由だった。
学校に行けば同じことの繰り返しを強要され。
家に帰れば小言ばかりの両親。
街に出たところで目につくものはルールルールルールルール!
志郎は心底退屈していた。
大人は子供を新し物好きだと言う。
だが、新しい物を次から次へと求めるほど退屈なんだとは思わないのだろうか。
子供たちの表面だけを見ずに、何故そうなのかを考えたことはないのだろうか。
志郎は『普通』を嫌悪する。
特別でありたい、他の奴らとは違ってありたい。
その気持ちは優越感を得たいからくるものなのか、それとも社会が決めた『普通』への小さい反抗なのか。
志郎は今、海に来ていた。
別に泳ぎに来た訳でもなく、ただ海を眺めるのが好きだっただけだ。
季節は秋、泳いでいる人なんているはずもない。
ただ、砂浜で仰向けになっている巨大な亀を除けば。
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