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「ぅわぁっ!?」
植物に駆け寄っていた少年が爆風で吹き飛ばされ、壁にたたき付けられた。
当の僕はというと、
「あちちちちっ!!いぎゃぁぁ!!ほ、包帯に火がァァ!!」
「少し黙れカス。」
ガスッ
火がついた包帯を握ってゴロゴロと床をのたうちまわっていると鳩尾にハティさんの容赦無く蹴りを喰らった。
「ぐはっ…ひ、酷いです…」
痙攣しながら腹をおさえる僕を華麗に無視して、ハティさんは吹き飛ばされた少年に近づいた。
「っ~~今のが魔法かァ…予想以上のいりょ…っ!?」
ドカッ
ハティさんはズレた眼鏡をなおしながら言う少年の胸を片足で勢いよく踏み付けた。そうして身動き出来ないようにする。
その痛みに少年は顔を少し歪めた。
「よくもふざけた真似をしてくれたな。ティア・アルディス。」
腕を組んで少年を見下ろしながらハティさんは言う。
ていうか…
「こ、この子があのティアはか…」
「黙ってろ。」
ガスッ
ハティさんの鉄拳が僕の頭部に振り下ろされる。
ヤバイ。星が見えた…
「う~ん…俺の負けかァ…せっかくいい実験台が二体も届いたのになァ~」
残念そうにティアさんは首を傾げた。ハティさんはティアさんを見下ろしたまま睨む。
「そんな事よりも、さっさと意思を持ったしーでぃーろむとか言うのを消せ!」
「ハティさん!削除するのはCDROMじゃなくてプログラムです!」
「細かいことに茶々を入れるなカス。」
ちょっと訂正しただけなのにこの言われよう。
それでこそハティさんなんですけどね。
「意思…プログラム?何のコト?」
僕等のやり取りを見ていたティアさんがキョトンとした表情で言った。
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