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「とぼけるな。貴様の研究プログラムが危険だからとかなんとかでシャルが…」
「シャルが?シャルが持って行ったのは研究プログラムなんかじゃないケドぉ?」
『はぁ?』
ティアさんの言葉に僕等の気の抜けた声がハモった。
「それに、君達の言う意思プログラムは確かに俺が研究してたモノだヨ。でもソレの危険性とか安全性を考慮してこの前その研究は中止になったんだァ。残念だよネ~」
「ちょ、ちょっと待て…貴様はアークストーン家の主人を殺す代わりにジャックを手に入れようとしたんじゃないのか?」
動揺しながら言うハティさんを見上げてティアさんは驚いたように目を見開いた。
「へぇ~そんなことしてたんだァあの人達。手段を選ばないでいいからとにかく熊を探し出せって言ったのが悪かったかなァ。失敗失敗~」
でも殺されなかったんだから良かったよねェ。とティアさんは続けた。
さっきの驚き様と言い、嘘をついているようには見えないけど…。
「と、いうことは。レミアさんのお父さんを殺そうとしたのは暗殺集団の独断!?」
「ま、そーゆーことになるかなァ?こんないたいけない子供が人殺しの提案なんかするわけ無いじゃ~ん。」
いたけないかどうかは別として、僕とハティさんは顔を見合わせた。
「あれ?でもシャルさんはなんで嘘を?」
僕がティアさんに問うと、彼は途端に苦い表情を浮かべた。
「それは……」
ドカァァァン!
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