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「シャルが原因とは言え、相談所を壊しちゃったのは俺の過失。修理はきちんとやらせてもらうから安心してェ。」
ハティさんが引き起こすグシャッ!とかドコォォ!とかズギシャァァとかの破壊音をBGMに、何故かすっかり仲良くなってしまったティアさんが僕に言った。
「よろしくお願いします。危うく文無しの宿無しになるところでしたよ。」
ため息混じりに僕はティアさんにいれてもらった珈琲を啜った。
珈琲が入っている容器がカップじゃなくてビーカーというところは敢えてスルー。
「いっそこの研究所にいてもいいヨ~?俺はだーいかーんげーい!」
「それは勘弁してください。」
両手を上げて嬉しそうに言うティアさんに僕は即答した。
ここにいたら何されるかわからない。
実験台にされるなんて冗談じゃありません!
「チェ~ツレナイのねェ~」
唇を尖らせて言うシャルさんに僕は苦が笑いして返す。その時。
「何を話しているクズ。」
ドカッ!
散々暴れて満足したのか、ハティさんが僕を蹴り飛ばした。
そのおかげで僕は壁に衝突する。
痛いじゃないですか!(泣)
「俺達の今後のオ・ハ・ナ・シィ~」
ヘラヘラ笑ってからかうように言うティアさんをハティさんはものすごい眼光で睨みつけた。
今更だけどティアさんって怖いモノ知らずかもしれない。
「そう睨まないでヨ~。あ、シャルにお灸据えてくれてアリガト~」
さっきまでハティさんが暴れていた所には、腕と足だった鉄製の棒が捻り取られ、ただの球体になったミリィちゃんのコックピットがもう原型をとどめていないほどベコベコにへこんでいる。
そのそばには無惨にもボロ雑巾の様になったシャルさんが俯せで倒れていた。
哀れな…
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