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キッチンは大惨事になっていた。
トースターからはまるこげに焼かれたパンが飛び出していて、ガスコンロでは十分に熱せられたフライパンに大量の卵が機械によって何個も何個も割られている。二個でいーんですよ。二個で。
しかもキッチン台の上に設置された機械は、一体冷蔵庫からどうやって取り出したのか知らないがトマトジュースのパックを持って、下に用意されたコップに延々とジュースを注いでいる。
コップからはトマトジュースが溢れ出して床に流れていた。
も…もったいない…!!
「ティア……殺す…」
大好きなトマトジュースを無駄にされてハティさんはすごく、そりゃもうすごくご立腹のようだ。
「お、落ち着いてください!トマトジュースなら新しいのまた買ってきますから!!」
「じゃあ行ってこい。3分だ。」
サッとストップウォッチを取り出すハティさん。
「え゛!?待ってください!3分って無理で…」
「出来なかったら燃やす。」
「わかりましたよ行ってきます!ていうか何ですかこのデジャヴは!!」
「あと2分58秒だ。57ー…56ー…」
「ヒィィィィ!ティアさんの馬鹿ー!!」
そして、僕は再び往復400メートルを爆走することになった。
―fin―
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