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「はい。どう…ぞっ!」
ガンッ!ばしゃっ!
僕はお茶の入った湯呑みを、劉崋さんの前に乱暴に置いた。
その衝撃でお茶が飛び、劉崋さんの顔にかかる。
劉崋さんはお茶のかかった顔で無言のまま僕を見た。
「…何か。」
「いや、別に。」
ハティさんの話によると、劉崋さんは天狗という東方の妖怪で、ハティさんとは僕が知るよりも古い仲らしい。(どれぐらいの仲なのかと深追いしたら、しつこい!と殴られました。)
「で、貴様は何しに来た。」
ものすごく嫌そうな顔をしてハティさんは着物の袖で顔を拭う劉崋さんに問う。
なにやらハティさんは劉崋さんが嫌いらしいから一応一安心。
「そんなに嫌そうな顔すんなよ~一夜共にした仲だろ~?」
ガシャンッ!
今、なんて…?いやいやいや、聞き間違い聞き間違い。
おっと、ショックのあまりトレイを落としてしまいました…(滝汗)
劉崋さんはハティさんの頬に手を添えて妖しく笑う。
その手がガシッとハティさんに掴まれた。
「…そんな冗談を言う為に来たのか?死にたいんだな劉崋。」
「あ、あはは…相変わらず冗談が通じねーなぁ…」
さすがの劉崋さんも、ハティさんに睨まれると青ざめて慌てて手を引っ込めた。
ていうか、冗談で良かった…!(本音)
「で?何をしに来た?楼嵐(オウラン)と喧嘩でもしたか。」
「さっすがハティちゃんvま、正確に言えば愛想つかされて出てかれたんだけど~」
ヘラッと笑って劉崋さんは頭をかきながら言った。
そんな劉崋さんをハティさんは白い目で見た。
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