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ハティSide
何故か魂が抜けて、本当の死人のようになってしまったマミーをかかえて劉崋は窓に足をかけた。
帰りくらいドアから帰れ。
「ホントに一人で大丈夫かよ?」
「黙れ。貴様に居座られるくらいなら一人のほうがマシだ。」
そう返すと劉崋は苦笑した。
それがムカついたから奴を軽く睨んでやる。
「そう睨むなって~んじゃ、マミーちゃん借りてきまーす。」
「さっさと消えろ。」
吐き捨てるように言うと、劉崋はヘラリと笑みを浮かべて窓から飛び降りた。
それを見て私は誰もいない相談所を見渡す。
こんなに広かったか?
アイツに出会う前は一人で住んでいたのに、その時より広い気がする。
「…馬鹿馬鹿しい。」
ため息混じりに呟いて、いつものようにデスクの椅子に座り新聞を広げた。
あいつらは馬鹿だ。何度やっても学習しない。
楼嵐も今回で何回目の家出だか。
その時。
「ふぅ…ここまで長い道程だった。」
突然、相談所のドアが開いくと共に、聞き覚えのある声が飛び込んで来た。
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