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「旦…那…?」
信じられなくてオレはしゃがみこんでその顔を見た
薄く赤いその頬はどんどん白くなる
その健康そうな顔はみるみるうちに蒼白になる
オレは思わずそれの顔に触れた
生暖かい頬も冷たくなる
オレは思わずそれの手を握った
柔らかいその手は少しずつ固くなる
ザァァァ
いつの間にか雨が降っていた
「静かだ…」
静かすぎる
いつの間にか戦も終わっていた
そうだ、この冷たい頬も雨のせいにしてしまおう
そしてこの流れてくる涙も…雨に隠してしまおう
頭の中は真っ白で
体は真っ赤な血で染まり
意識は闇の中へと落ちてゆく
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