血だらけの少年

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 現在午後8時34分。  俺は今バイト中。  ここはホテルの一室。俺は志保と名乗る、20代後半くらいの女と肌を重ねている。  「亮くん……いい……亮くん………っあああ!!」  志保は俺が名乗った『亮』という男の名を呼びながら喘ぎ声を室内に響かせる。  もう察しはついてるだろうが、俺がしてるバイトは『援交』だ。  俺は週五回、違う女と肌を合わせてる。  月曜日は香織、水曜日は志保という感じの平日のローテーション形式。  狙いは当然、金持ちだ。俺は一介の高校生。学費も生命保険も家賃も生活費も、払わなきゃならないモノはたくさんある。  だから木曜日の女以外は皆社会で、ガッポリ儲けてる奴らばかり。  ……罪悪感は無い。俺だって生きるのに必死なんだ。  何度も言って申し訳ないが、俺は素晴らしいイケメン様だ。  中学の卒業式で、俺の第2ボタンを巡って争奪戦が起きたくらい、俺はモテてきた。  ならそれを利用しない手は無い。出来るだけ甘えん坊キャラを演出し、母性本能を擽らせ(くすぐらせ)てやれば良いだけのこと。  「お願い亮くん……もう焦らさないで……きて……」  淫らに俺を誘う志保。それに対し俺は『亮』を演じるだけだ。  「仕方無いなあ、お姉さんは」  「……っあああああ!!!!」  弾ける媚声。軋むベッド。  これが俺の夜の風景。
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