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行為が終われば、ベッドに添い寝をしながら、しばらく女の喋りに付き合ってやる。
大事な稼ぎ口なんだから、ご機嫌もとっておく必要があるんだ。
「ねえ亮くん?」
「何?」
「私、今社長秘書してるの知ってるよね?」
知ってる。だからお前と援交してんじゃん。だいたい知ってるに決まってる事をイチイチ聞くな。自慢か?
「知ってるよ。お姉さん凄いよね」
もちろん本音は出さない。俺は『亮』を演じ続ける。
「お姉さんとか言わない!何か疎外感感じるじゃない」
上目遣いで俺を見る志保。大きなクリッとした目でスタイルも良くて魅力的な事は確かだ。
この嘘つきめ。本当はお姉さんって呼ばれて喜んでるくせに。目が笑ってんだよ。
「でも、名前呼ぶの俺ハズくて……」
もちろん嘘。可愛さアピール。
そしてそんな俺を見て、志保は俺の背中に手を回し、力の限り抱きしめた。
「ああ~ん萌える~!亮くん可愛い~!!」
痛てーよボケ。
「お、お姉さ………し、志保………さん……」
もちろん演技。再び可愛さアピール。
「っきゃああ悶え死ぬ~!!」
さらに力を加える志保。
マジで痛てー。潰されそう。
「亮くんってさ、彼女いるの?」
しばらく悶え続け、落ち着いた志保がニコニコしながら聞いてきた。
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