血だらけの少年

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バイトを終えた俺は、温まった財布をポケットにしまい、街中を歩いていく。 志保が自棄になって多目に金を置いてくれたのは嬉しいが、また新たな相手を見つけなくてはならなくなった。 まあ週五で金持ちの相手をしてるんだから、元金にチップを足せば結構な額になっている。 けれど、いつ稼げなくなるか分かったもんじゃない。貯めれる時に貯めとかないと。 そんなことを考えていると、ズボンの携帯が振動を始めた。 取り出して画面を見てみると、着信一件の表示があった。 送り主は秋人。画像付きのメールだ。 『ホントにありがとな。お前のお陰で千夏と付き合える。ホントに感謝してる。 ホントにお前が親友で良かった。これからも宜しくな!!』 親友って思ってんのか俺の事を。 思い上がりも良い所だな。俺の事を何にも知らないお前が俺の親友? バッカじゃねえの? 鼻で笑いながら画像を開く。するとそこには、幸せそうな秋人と千夏のツーショットがあった。 加工入りで、『Thank You春馬』って入ってる。 止めてそういうの。真面目にキモいから。暑苦しいから。勘弁してくれって。 ブルルルル。 また着信一件。だいたい誰からかは検討がついてる。
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