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重く、低い声が体に響いた。
この司令、カテルニア(かつてアフリカと呼ばれていた。)戦線から異動してきたエリートだという。
色黒の肌、紅い目はまさに悪魔というやつだった。
その容姿のせいか話しかける奴はあまりいなかった。
「いや、あの…この作戦のことなんですが、このような小基地を狙うのは…どういう意向なのですか?」
「…君は」
いつの間にか司令が前に仁王立ちしていた。
「この世に二種類の人間がいるのを知っているか?」
「は?」
何処かで…っていうかよくある言葉を…。
「命令する者と命令される者
だ。命令する者は知る権利がある。が、される者にはそれが無い。
どちらがどちらかは分かる
な?」
そう言うと奴はさっさと立ち去ってしまった。
「…」
「――シン」
背後から声がした。
「ボーか…」
「そろそろ戦闘準備だ。…どうだった?」
俺はどう説明をするか考えた。が。
「いや…愚問だった。俺さえ聞かされてないんだ。お前もどうせ、な?」
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