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「それで?そのあと蝶はその青年と話せたの?教えてママ」
「もう…アゲハはせっかちさんねぇ…」
「だって気になるんだもん」
だから教えて、と少女ーアゲハーは母親に言った。
「はいはい。…残念だけど蝶は青年と話すことは出来なかったのよ。ましてや会うことすら出来なかった…」
「どうして?」
「その青年は…病気で亡くなってしまったのよ」
「そんなぁ…。せっかく女神さまが人間に変えてくれたのに…」
「そうね…。青年に会うことが出来なかった蝶は悲しみに暮れて…最後は湖に身を投げてしまったわ。するとその湖が凍ってしまったの。その湖は今もなお…悲しみで凍てついたままになっているの」
「へぇー…悲しいなぁ…」
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