プロローグ

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「今日未明、富士樹海から中年男性と思われる刺殺体が見つかり…」 やはり、山に埋めたところで運が悪ければ見つかってしまうな。 警察だって馬鹿じゃない。死体さえ見つかれば、些細な手がかりで犯人を突き止められるんだ。 逆に、死体さえ見つからなければ、殺人が起こったことさえ気づかれない。 そうだ、海だ。海があった。 海であのゴミ共を葬ってしまおう。 照明のない部屋の中、ラジオに耳を傾けていた指名手配犯がそこにいた。 ぼんやりと思い描いた新たな犯罪。 この時はまだ、行動ができない暇つぶしに考えていた程度。 しかし、このしばらくあと、もたれかかっていたドアが「スポンサー」によって開かれ、計画はより明確かつ残酷なものとなり、そして決行されるのであった。
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