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それから一年が過ぎ、二年が過ぎ、私たちは籍を入れた。
「荷物、はやくまとめなさいよ」
大学を出ても、あたしは実家の家業である居酒屋を手伝いながら、実家暮らしを続けていた。
涼は有言実行とばかりに出版社に就職。
入社してすぐは、慣れない仕事に振り回されている様にも見えたが、数ヶ月してその仕事ぶりも大分落ち着いてきたようなので、それを期に入籍した。
涼は盛大な結婚式を挙げようと言ったが、そもそもあたしは目立つことが嫌いなうえ、そんな資金はどこにも無いので却下。
その代わりに、ほんの少しの貯金を使って、両親と親しい友人のみを呼んだ、ささやかな食事会をしようと決めた。
そしてその前に、私たち二人は小さなアパートを借りて住むことにした。
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