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「亜希、あとの荷物は?」  わざわざ休みをとって、涼が引っ越しの手伝いに来てくれていた。 「あ、ありがと。これとそっちの段ボールと…………あれ、これなんだろう」  厚い紙でできた手の平サイズの小さな箱が、押し入れの端に遠慮がちに置いてあった。 「こんなの、持ってたっけ?」  箱を揺らすと、カタカタと何かが揺れた。  私はおもむろに、その蓋を開けた。
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