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目を開けると、涼が心配そうに顔をのぞいていた。その向こうに、お母さんも立っていた。
「亜希……?」
「涼……。ごめん、もう大丈夫」
まだ微かに頭痛の名残を感じたが、私は身体を起こした。
話さなくては。
そんな気がした。
「……お母さん、全部思い出したよ。今までごめん」
突然の私の言葉に、母は目を丸くして驚いた。
「……本当に?」
「……うん。私の為に、ずっと隠してくれてたんだね。ありがとう」
「亜希……」
母は胸の前で自分の手を握り締めていた。
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