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「……大好きだったようちゃんの死は、私を絶望の底に叩き付けた」  少しの沈黙のあと、母がゆっくりと語り始めた。 「あの頃……陽平くんがいなくなった日から、亜希は魂が抜けたようにぼうっとしていたの。ご飯もほとんど食べてくれなくて、みるみる内に痩せていった」  少しためらう様な、悩ましげな表情を浮かべたあと、お母さんは意を決したように続けた。
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