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「でも……ある日突然、亜希がいつもの様に笑って『ねぇ、遊びに行ってくる』って言ったの。最初は、新しい友達が出来たのかとも思ったわ。でも心配になって『ようちゃんはもういないのよ』って言ってみたの。そうしたら……」
――ようちゃんって、だあれ?
――え……? 誰って、いつも遊んでたじゃない。斉藤さんのとこのようちゃんよ。
――しらなぁい。あき、いつもひとりであそんでるよ。ママ、ヘンなの!
「……相当、辛かったのね。陽平くんが死んでしまったことが悲しくて、逃げたくて、陽平くんと過ごした記憶を全て……」
母はそこまで言って、堪え切れずに涙を流した。
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