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「それってさ、その子が呼んでるんじゃないか?」  涼は身を乗りだし、目を輝かせて言った。 「呼んでる?」 「そう。その子はその『ヒミツ』の場所に、亜希を呼んでるんだ」  彼の夢は小説家。  推理作家志望だが、まぁ夢見がちなストーリーを語るのは仕方のないことかもしれない。  しかし生憎、私は本気で悩んでいるのだ。 「冗談やめてよ。人が真面目に相談してるっていうのに」  悪い悪い、と彼は苦笑いを浮かべてから、それじゃあ聞くけどさと続けた。
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