三日間に渡る走馬燈

余命三日

俺は走った。

来たるべきクリスマスに向けて、色取り取りのイルミネーション、赤や白、緑の装飾品に彩られた街を流れる景色にして。

俺は走った。

約束の場所はブリキ広場の噴水前。約束の時間は既に半刻程過ぎている。

俺は知っていた。

どんなに時間が過ぎようと、あいつがそこで待っているという事。

後数分で雨が降り始め、ずぶ濡れになっても、あいつはそこで俺が来るのを待っているという事を。

俺は知っていた。

俺がどんなに速く走っても、あいつが例えば明日まで待っていたとしても

俺がそこにたどり着けないという事を。

余命三日。

その瞬間まで、同級生だった死神は俺にそう告げた。

今、現在の俺は前述した様に街を疾走してる最中な訳だが、死ぬまでには幾ばくかの余裕がある。

少しばかり、俺の走馬燈に付き合ってほしい。なーに、時間はとらせない。何せ、走馬燈とは一瞬の出来事なのだから……。