変わらない日常

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「ねぇねぇ、昨日のドラマ見た?」 「見た見た!あの俳優格好いいよね~」 12月に近付く頃、『私立久遠寺学園』1年3組宮島 透(みやじま とおる)は溜め息をついていた 透「はぁ」 「どうしたんだ?透?」 そんな透に声を掛けたのは友達の坂上 宏(さかがみ ひろし)だった 透「あぁ、なんだ宏か…」 宏「なんだとは失礼だろ?折角心配してやってるのに」 透「ちょっと今度のテストがやばいんだよ」 宏「テストってまだ一週間も先だぞ?」 透「もう一週間だよ!」 宏「そんなの気にしなくていいって」 透「なに言ってるんだよ?宏の方が危ないのに」 宏「俺より上なんだから安全だろ?」 透「そんなこと自分で言うな…」 透は騒がしかった回りが静かになっているのに気付き喋りを止めた。 そして回りがドアの方を見ているのに気付き目線を合わせた そこには長い黒髪に美少女とも言える顔立ちの女の子が立っていた 「あんた、まだ来てるんだー?しぶといね?頭おかしいんじゃないの?」 ドアに立っている女の子に罵声を浴びせているのはこの学年の不良のリーダー、大橋 美香(大橋 美香)である 「頭おかしい人は病院に行きますよ?」 女の子はしれっと答えた その刹那美香は女の子の頬を叩いた 美香「テメーふざけてんじゃねぇよ!」 女の子は叩かれた頬を押さえ、何事も無かった様に透の斜め前の自分の席に着いた 美香「あぁ!ちょっと何勝手に席座ってんだよ?」 美香が女の子に行く前に先生が教室に入って来た 「何してんだ?早く席に着け」 美香「ちっ!」 美香は盛大に舌打ちをすると自分の席に戻った 宏「じゃ、またな」 透「あ、うん…」 みんなが席に着いたのを見計ると先生が言い始めた 「お前らも知ってると思うが一週間後にはテストだから気を引き締めていけ」 先生がテストの注意事項等を説明している中透は先ほどの女の子に『大丈夫なの?』と書いた紙を丸め、その紙を投げた 透は時たまこうして女の子に手紙を渡す事があった。 女の子「………」 女の子は投げ込まれた紙に何か書いて投げ返した 女の子「『大丈夫、ありがとう』」 透「(そっか、良かった)」 「…以上のことをしっかり守れよ?じゃ、終わりだ」 先生が出て行くとまた教室が騒ぎ出した そして宏が透に歩み寄って来た 宏「透、お前何やったか分かってるのか?」
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