第一章 溝(みぞ)

3/11
113人が本棚に入れています
本棚に追加
/93ページ
「そういえば、透?  気になる事が一つあるから 聞きたいんだけど、 その『凛高の美青年』って何?」  そんな透を見ながら、 少女は何やら不満そうな 顔をして透に尋ねる。  彼女の名前は神島 奏 (かみしま かなで)。  彼女は黒髪でそれは 腰近くまであり、瞳の 色は黒色で目はきつめで 背は透よりは低く、見た 感じでは大体170cm位は ある。透とは幼馴染の 関係で小さい頃からの 仲だった。 「それは皆が俺を、 そう呼んでるんだよ。 分かったか?」 「はいはい。そういう 事にしておくわ。 (誰もそんな風に 呼んでないわよ!)」  透が当然といった ような顔で奏の問いに 答えると奏は適当に 相槌を打ったが、心の 中では呆れ返っていた。 「……はぁ。そんな事 いちいち聞くなよ…… ホント、欝陶しい奴だな ……」 「アンタ、何独り言を ぶつぶつ言ってんのよ。 それに誰が欝陶しいの?」 「い、いや……それは……」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!