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「では、みなさんも泳いでみましょう。苦しくなったら途中で立って頂いて構いません。」
陽介先生の笛の合図と共に、先頭のおじさんが泳ぎ始める。
私は急に怖くなってきた。学校のプールよりは浅くても、やっぱり息継ぎの時に水を飲み込んでしまうかも。不安な気持ちのまま順番が来る。まっすぐ腕を伸ばし、壁を蹴る。でも水に阻まれて、すぐに失速する。沈むのが怖くて水を蹴り、腕を回す。少しスピードは取り戻したけれど、今度は息が苦しくなる。十分浮き上がっていないけれど、とにかく息がしたくて水面に顔を出す。顔が出た。息継ぎには成功。でも、その反動で更に沈んでしまった。溺れちゃう。
すうっと、体が浮いた。
え、なんで。何が起こったの。
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