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その答えは、お腹辺りに感じる大きな手の感触だった。びっくりして立ち上がってしまうと、同じく驚いた顔の陽介先生と目が合う。
「立たなくても良かったのに。ほら、支えてるからもう一回やってみよう。」
水にもぐると、再び陽介先生の手をお腹に感じる。なんだか、恥ずかしい。体が浮き上がると、陽介先生の手はお腹から離れた。今度は手を掴まれる。大きくて、ごつごつした、大人の男の人の手。腕を回し始めると、『いち、にー、ぱー』という陽介先生の声が上から降ってきた。水の中で聞く陽介先生の声が心地よい。その声に引っ張られるように腕を回し、息継ぎをする。
「そうそう、良い調子。じゃあ、手を離しますよ。」
あ、だめっ。……と水の中で言えるはずもなく、手は離れてしまう。次の息継ぎは諦めて苦しくなったところで立ち上がった。
頭の中では、『いち、にー、ぱー』がリフレインしていた。
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