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『おや、お嬢さん、新入りかい』 振り返ると、おじいちゃんと呼ぶにはちょっと若いような、ぽちゃっとしたおじさんが立っていた。私がうなずくと、おじさんは嬉しそうにいろいろと説明し始めた。 『あっちでビート板片付けてるのがユカリさんで、今コース作ってるのが、コウスケくん。ほら、青いの引っ張ってるでしょ。』 どうやらインストラクターの紹介をしてくれているらしい。訳がわからないながら一応頷いていると、おじさんは更に続ける。 『今シャワーしてるのがミサちゃんだね。で、隣がアヤさん。』 さっき案内してくれたインストラクターはミサちゃんらしい。ミサちゃんだけ「ちゃん」付け。おじさんのお気に入りなのかな。確かに、顔が小さくて可愛いし、何よりこの中では一番若い。 『今日は木曜日だから……初心者コースはヨウスケくんだね。ヨウスケくんは見当たらないなぁ。あっ、準備体操が始まるよ』 おじさんの指す方向にはアヤさんが立っていた。 『みなさん、準備体操始めますよー。広がって下さい』
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