―4年前―

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竜也は昔から照れると人の目を見ようとしない。 夏帆はすっくと立ち上がりズボンについた草をはらった。 「最初からそのつもりだよ。サッカー好きだし。」 そう言い微笑んだ。 《竜也もね》 そう言えたら… 私は昔から竜也が好きだった。 でも竜也とは幼なじみ。 すごく近いようで遠い存在… 今のあいつはサッカーの事しか頭にないだろう。 《俺らって家族みたいだよな。だから悩んだらすぐにこの兄ちゃんに言ってこいよ》 前に言われた言葉… 夏帆(バーカ。あんたはあきらかに弟とでしょ) 竜也(俺のが誕生日はやいから兄ちゃんなんだよ) とたわいない会話をしてたっけ。 《家族》 その時の言葉がやけに胸に突き刺さる。 だから私はずっと竜也は幼なじみなんだ。と割り切っていた。
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