プロローグ

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 『昏きもの』も、病気はあるし、早死にもする。  だからこそ、彼等は『偏食』をしない。    しかし、襲わなければどう血を吸うのか?  そこで彼等は考えた。   『人に服従し、血の契約を結ぶ。そして契約者の血に合わせて自分の身体を“変異”させていく』    というシステムである。  このシステムを用いれば、一人の人間に身体を調節してあるので、その人間の血を少量吸えば事足りる。  そしてその見返りとして、『昏きもの』の強大な『力』を契約者に使役させる。  完璧なるギブアンドテイク。  中々できたシステムである。  大半の吸血鬼達は、この方法を採用、人間の配下に置かれた。  そしてこの少女、ランステッドもそんな吸血鬼の一人。  ロウレニスと契約を交わした“契約鬼”なのである。
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