プロローグ

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 人の命など、何時消えるかわかわからない。  ならば何故、そんな不安定な方法をとるのか。  未だ、それを超える方法がないからに他ならない。  世界中の『昏きもの』が打開策を考えているのだが、誰も代案すら出せずにいる。  それを憂うものも多いのだが、このランステッドという少女、憂いもせずただ現状に満足しているようで、『ん~、まぁなんとかなるっしょ』の一言で片付けてしまう。  話をロウレニス達に戻そう。  彼等は帰宅中である。  化け物撃破後、依頼されたペットを発見、保護、帰路につくといった具合だ。  それより、何故化け物が襲って来たのか……知らないフリをしているが、ロウレニスは知っている。  ランステッドが、睡眠中の化け物の尻尾を、底の硬いブーツで踏み付けたことが原因である、と。  しかし知っていても、言ったところで、勝ち目のない口論に発展する。  というか彼女の性格上認めずに噛みついてきそうなので、彼は口には出さないでいるのである。
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