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ベージュのブラウスに、黒のミニスカート、これがまた似合っており、彼女の可憐さを演出するのに一役買っていた。
年は十五か、十四か、あるいは十三か。
しかし、何故彼女がこんな林の中の廃墟に、しかも男と二人きりでいるのか。
明らかに場違いなのは、誰が見ても明らかだ。
もしくは、少女が危ないと助けに入るかもしれない。
「今回何もしなくていいって言ったじゃん」
頬を膨らませ、拗ねた表情を見せる少女。
そんな微笑ましい仕草を気にするコトなく、青年は答える。
「ゴメン!! 僕だって、こんなコトになるとは思わなかったし」
慌てて弁解する青年、しかし効果は無いようで、少女の顔は元に戻る気配はない。
青年がため息を付き、また説得もとい、弁解を再開させようとした、その時であった。
爆弾でも炸裂したかのような爆音、それと同時に風化しかけていた壁が吹き飛んだ。
車が一台通れるくらいの穴が開き、そこから『何か』が廃墟へと突入してきた。
「もう来ちゃった」
焦りの色を浮かべる青年。
焦る彼の視線が映すのは、壁を破って入ってきた『何か』である。
犬を思わせる外見をしているそれ、犬に見えるがそうではない。
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