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時間はたくさん出来た。
お金も使う暇が無かったから
けっこう貯まっている。
「何だ、準備万端じゃない。後は連絡を取って…」
ピンポーン!
八住に電話を掛けようとした瞬間にインターホンが鳴った。
いつもは無視する来客だが、この間のように突然西田がやって来た…なんて事もあるかもしれない。
ちゃんと出ようと、玄関に向かった。
「はーい、どちら様ですか?」
声をかけたが返事がない。
なんか嫌な感じだ。
出ないほうが良かったかな…と思った途端、早く開けろと言わんばかりにドアが叩かれた。
何なのよっ!?
「はいっ……えっ!?」
怒りまかせに開けたドアの向こうに居たのは――
「ごめん…手が痛くて呼び鈴押せなかった」
両手にたくさんの荷物を持った八住だった。
「なっ…どどどうして?」
驚き過ぎて
心臓がバクバクしてる。
何で八住が私の家の前に?
「マスターから休み貰ったんで顔見に来たんです……良かったなんか元気そう」
八住は心底安心したという顔を見せ、微笑んでいる。
その笑顔に、違うバクバクが加わり心臓が破裂しそう。
「えっ…あっ…うん、そうなんだ。どうぞ、上がって」
動揺が隠しきれてない。
心配させてたの自分なのに
私ったら駄目だぁ!
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