カレーが嫌いになった理由

3/20
11437人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
時間はたくさん出来た。 お金も使う暇が無かったから けっこう貯まっている。 「何だ、準備万端じゃない。後は連絡を取って…」 ピンポーン! 八住に電話を掛けようとした瞬間にインターホンが鳴った。 いつもは無視する来客だが、この間のように突然西田がやって来た…なんて事もあるかもしれない。 ちゃんと出ようと、玄関に向かった。 「はーい、どちら様ですか?」 声をかけたが返事がない。 なんか嫌な感じだ。 出ないほうが良かったかな…と思った途端、早く開けろと言わんばかりにドアが叩かれた。 何なのよっ!? 「はいっ……えっ!?」 怒りまかせに開けたドアの向こうに居たのは―― 「ごめん…手が痛くて呼び鈴押せなかった」 両手にたくさんの荷物を持った八住だった。 「なっ…どどどうして?」 驚き過ぎて 心臓がバクバクしてる。 何で八住が私の家の前に? 「マスターから休み貰ったんで顔見に来たんです……良かったなんか元気そう」 八住は心底安心したという顔を見せ、微笑んでいる。 その笑顔に、違うバクバクが加わり心臓が破裂しそう。 「えっ…あっ…うん、そうなんだ。どうぞ、上がって」 動揺が隠しきれてない。 心配させてたの自分なのに 私ったら駄目だぁ! .
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!