すのはらあんり、ココアすき

6/12
前へ
/224ページ
次へ
  ぎゅっ 「先輩…」 あたしの目からぽろぽろと落ちた涙は,地面にたどりつかずに壮羅のブレザーに染み込んで。 あったかい壮羅の胸と腕の間におさめられた小さいあたし。 近くに感じる壮羅は,こんなにも大きかったんだね。 「杏里先輩。あの…えっと…泣かないでください…///あの,俺…女の扱いとかよくわかんなくて…すいません…」 そう言うと,壮羅はあたしの背中にまわした腕に一瞬力を入れ,ゆっくりとゆるめる。 「…先輩?」 背中を曲げて,うつむくあたしの顔を見る。 「うぅ―――…」 壮羅が困ってる。 なのに素直じゃないあたし。そんな自分にイラッとする。 、
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4903人が本棚に入れています
本棚に追加