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「…とりあえず,そこの公園で待っててください。飲み物買ってくるんで」
あたしはコクリと頷いて,ちょうどすぐそばにあった公園に入り,ベンチに座って壮羅の帰りを待つ。
マミにも言われたもん。
したいこと,してほしいことはちゃんと言わなきゃ。
「先輩!」
後ろから壮羅の声が聞こえたから,涙をふこうとしたら
ふわっ
壮羅のあったかい手のひらがあたしの頬を包んで,まだ頬を伝っている涙をすくいとる。
「…そらー…?」
あたしが呼んだら,壮羅はほんの少しだけ隙間をあけて隣に座った。
「はい,先輩。いつもココア飲んでますよね?ココアでよかったですか?」
優しい壮羅。あたしは何をしているんだろう。大好きな壮羅を困らせて。何も言わずに泣いて。
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