ぼく、シフォン。

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最初はね、変な人だと思ったんだ。(怒られちゃうかな?) ぼくの事じっと見て、他の人間と違って笑いもしないで見続けてた。 ぼくの値段も見て、首をかしげてたりもしたよ。 また視線を戻して見つめられて… ぼく、とっても居心地が悪くて下を向いた。 でも何だか気になったんだ… 何ていうのかな? ぼくを見てるんだけど、ぼくの後ろを見てて… 優しそうなんだけど、寂しそう… そんな印象を受けた。 でも、視線を戻したら、その人は消えていた。 そして、戻って来なかった。 ぼくは、がっかりした… ぼくのお家が見つかる所だったかもしれない。 ぼくは、あの人が良い。 ぼくは何をやっていたんだろう? ぼくはその夜、神さまにお願いしたんだ… もう一度、もう一度、あの人に会わせて下さい…って。 ぼくの最後のチャンスかもしれない、だからお願いしますって… 次の日、僕はビックリした! お店が開いたと同時に、昨日の人が駆け込んできたんだ! ぼくは朝御飯もそっちのけで(今じゃ考えられないけど。) その人(ガラス)に飛び付いたよ。 その人は昨日とは違う、元気過ぎるぼくに驚いてたけど、 素敵な笑顔で笑いかけてくれた… そしてその人の口が動いたんだ。 …この子を見せて、抱かして下さい…
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