血ノ雨ヲ降ラス者

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「響、帰ったのか」 風呂に入っていた黒髪の男“響”は声のした方向を向く すると湯気の向こう側に人影が見えた 「響、返事をしろ」 「ああ、帰っている」 響が伝えると声の主が響の元へと近づき、顔が見える 白髪が今は燃えるような赤になり、美形に入るだろう顔によく栄える だが、この男は美形なのにもかかわらず…男好きなのだ 「お帰り響、会いたかったぞ~」 「白琥(シラク)!!!わかったから抱きつくな!!!」 白琥はあの日響を助け響という名前をつけた張本人である 響とは4つ離れていて、白琥は今19だという 身長もかなり高く6尺3寸(189cm)程だと響は聞いたことがあった 5尺4寸(162cm)程の響にとって白琥はムカつくほどの長身なのである 「白琥、なんの用だ。俺が入ってる間は入るなと何度言えばわかる」 「いいじゃないか兄弟みたいなものだろ?」 響は自分が血に染まっているのを他人には見られたくない 暗殺の仕事をしている今、他人との関わりすらあまり持ちたくはないのだ 同じ暗殺の仕事を行っているはずの白琥にはわかるはずなのに、なかなかわかっては貰えない 「月を見ていたら懐かしくなってな?何が何でもお前に会いたくなった」 真顔でそんなことを言われたら自分が女だったら確実に惚れるだろうな、などと響は考えるがそんなことは頭から無くすかのように頭をブンブンと振る 「俺もあの時のことを思い出していたんだ…」 「へぇ、響があの日を自ら思い出すとは…大人になったんだな」 響にとっては別れの日 あまり思い出したいことではないはず それを受け止められるようになったなら大人になったと思うべきか
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