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満員に近い電車の中で
俺はうとうとしていた。
…コクリ…
………コクリ……
ドン!
「いってぇな!何だよ!」
手すりから滑り落ちた手が、サングラスをかけた茶髪の男の頭にクリーンヒットした。
「ご!ごめんなさい。お怪我はありませんか?」
「このやろう…ふざけてんのか!?」
男は俺の胸倉をつかみ、殴りかかる格好だ!
(やばい!殴られる!!)
覚悟を決めて思い切り目をつむる。
…
(!!!……あれ?)
胸倉はつかまれているものの
その間が異様に長い。
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