アケガタ『14時9分』

1/1
前へ
/137ページ
次へ

アケガタ『14時9分』

僕は目覚めました。 静かに目覚めました。 私は目覚めました。 奇声をあげながら 目覚めました。 それは何時もの事でした。 僕は君と二人きりでした。 君は相変わらず叫んで居ました。 暴れて居ました。 ふかふかの羽毛布団が目茶苦茶です。 羽根が舞います。 美しいです。 君は叫んでいます。 僕は黙っています。 君は叫び続けます。 高らかに。 私は叫びます。 ひたすら叫びます。 二人きりです。 他の誰にも届く事のない叫びです。 私は暴れます。 無駄だと解っています。 私はキチガイでは無いのです。 奴がキチガイなのです。 私は此処で果てるのでしょうか。 辛いです苦しいです。 誰か助けて下さい。 痛いです痛いです。 奴はキチガイです。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加