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男は玄関の前に立つと、辺りを見回し確認してからドアノブに手をかけようとした
3人は上から息を潜めながらそれを見た
カチャッ
男がノブを捻った瞬間だった
バタンッ
「だぶっ!?」
グチャッ
一瞬だった
ノブを捻った瞬間、玄関の両サイドにある壁がすごい速さで男を挟み、彼の奇声とともに至るところに赤い液体が飛び散った
両脇から挟まれた壁からは男の手がでている・・・・
「・・・・え、?・・・い、いやぁぁ・・っん!?」
ガバッ
真希が玄関で起こった現状に何秒か遅れで気づき悲鳴をあげようとしたとき、志郎が咄嗟に真希の口を押さえていた
「ん、っん!!んんんー!!!!」
真希の頭は今パニック状態になっており、ジタバタと暴れだした
「おい、真希!!落ち着け!!」
志郎はとりあえず、真希の視線をそらさせようと自分に視線を向かせ肩を揺すった
そんなとき、青年は玄関のほうをまだまじまじと見ていた
(この罠凝ってるなぁ・・・・・罠?・・・僕は何を考えているんだ?・・・人が目の前で死ぬのを見て・・・)
青年は頭を勢いよく横に振って頬を両手で思い切り叩いた
「僕は最低だ」
青年はそういうと志郎らのほうを見て言った
「志郎さん、とりあえずさっきの部屋に戻って真希さんを休ませましょう」
「・・・ああ、そうだな」
志郎は青年の言葉を聞き、軽く頷くとパニック状態で暴れ疲れ意識を失った真希を背負った
3人が急いで部屋に戻っていき、男の死体を除き誰もいなくなった静かなホール・・・・・
「ほら、待っててよかったでしょ?」
「ちっ、いちいちうっせーな。」
玄関近くの物陰から1組の若い男女がスッと現れた
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