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生い茂る木々たちが光をさえぎり、まるで月夜の中にいるような薄暗い森に一人の少女が歩いていた。
「…………………。」
少女は何も言わず、ただひたすら森の奥深くへと進んでいた。
そして、そのうちに薄暗い森の中で光が差している開けた場所が見えてきた。
ふと見ると、その中心に誰か倒れているのに気付いた。
少女は不審に思いながらも倒れていた人が心配になり、近寄ってみる事にした。
そして近寄ってみると、人が男である事が分かった。
男は暗い茶色の髪に少し凛々しい顔立ちをしている普通の男だったが、何処となく包まれる様な優しさがある空気を纏っていた。
(…………///。)
少女はその優しい空気を纏う男に一瞬みとれていた、しかし倒れたままなのが心配になり、起こそうと再び近寄った。
もう少しで男に触れようとする時、少女は足元の窪みに躓いた。
『………ッ!!?』
次の瞬間、少女は豪快に転け男の腹に膝蹴りを加えそのまま倒れ込んだ。
「ぐほっ!………」
男は膝蹴りの衝撃で意識が覚醒したが、そのままあまりの痛みに意識を手放した。
倒れた衝撃で少女もそのまま気絶してしまった。
しばらく時が経ち、男は目覚めた。男が意識を取り戻した時、違和感がある事に気付いた。
周囲は森、腹に残る激痛、頭にある瘤、男の傍らで眠る少女。
「…ここ何処?…何故痛みが…?てか…これ誰?」
これが男と少女の衝撃的な出会いだった。
因みに彼はこの時の衝撃が原因で気絶癖やトラウマが出来たとか、出来ないとか………。
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