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すると中に、まだ小さな可愛い子猫が丸まって眠っていた
(あ、子猫だ・・)
昨日の雨で濡れたのか、全身が湿っぽいのがわかる
「猫ちゃん。一人ぼっちなの?」
その言葉に反応したのか、子猫は耳をピクッと震わせた
(猫ちゃん寒そうだなぁ・・――あっ、そうだ!)
おもむろに立ち上がると、女の子は走って路地裏から出ていった
子猫は女の子が走って行ったのを確認してか、目を薄らと開けた
(…所詮、人間のガキだな。アイツも他の奴らと同じように、俺を見捨てていくんだろう)
濡れた毛は黒く光っていた。
けどその中には、悲しみのようなものも混ざっていた
今まで何人もの人間に捨てられ
嫌われ
子猫の心はひどく冷えきっていた
別に悲しくなんかない
孤独にはもう慣れた
俺が例え、凍え死のうが飢え死のうが、誰も気にしないに決まってる・・
所詮俺は
化け猫なんだから
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