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「なあ赤?」
「何よ?」
「今年は何件新しく入ったんだ?」
「そうね…今年はわりと少なく、私達の担当地区は3件新しく入ったわね。」
「ふ~ん…。」
俺はその赤の返事を聞きながら、この地区の名簿に目を通した。
そんな俺を見てレイナちゃんも興味をもったのか、俺の膝上に座り一緒に名簿に目を通し始めた。
「えっと…B地区、B地区っと…あった。んと、冨野、空純、藤島か…。」
「空純君家は私の家のとなりだよ。」
「えっ!?あそこの空純さん家って子供いたっけ?」
「よくわかんないけどお母さんが“ようし”って言ってたよ?お兄ちゃんようしって何?」
「うぇっ!?えっと…レイナちゃんはまだ知らなくていい事だよ?もっと大人になったら教えてあげるね。」
我ながら苦しい言い訳をレイナちゃんに言いながら、俺は目線を“空純亮汰”に移した。
…養子か…年はレイナちゃんの一歳下。
「…サンタ?あんた変な事考えてないでしょうね?」
俺がジッと名簿を見ていた事に気が付いたのか、何かを察した赤が俺に話しかけてきた。
おまっ!前見て走れ!!
事故る!事故るっ!!
「…別に。」
とりあえず、誤魔化す事にした。めんどいし。
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