配達は鮮度が命

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「お前がここに居るって事は木暮も居るって事か!?」 「まあ、一応俺のパートナーだしな…。」 木暮ってのはコイツ、クレイトンのトナカイで名前は秋斗だったかな? まあ、やたら女好きな奴で黒守さんだけならまだしも赤にまでアプローチするある意味俺が一目置いてる奴だ。 まあ、今はそんな説明はいらない。 今もっとも重要な事は… 「…なあクレトン(あだ名)?お前今『ここは俺の配達現場』って言ったよな?」 「あん?言ったけどそれがどうかしたのか?」 「いや…俺もここにプレゼント配達に来たんだけど…。」 「はぁっ!?ってーと、ダブリか?」 ダブリ サンタ業界用語で、配達現場が事務所の手違いで折り重なった事の意味。 サンタクロース業が始まった当初はよく起こった問題だったが、近代化が進んだ現在ではサンタの配達の割り当てはコンピュータが均等に分担している為、ほとんど起らなくなっていた。 まあ、数年に一回あるかないかの問題がまさか自分にふりかかろうとは…何か嫌になるな…。 「どうするよ?」 「どうするったって、三太テメェもサンタならどうするか知ってんだろ?」 ちっ…面倒くさい事になってきましたよ。
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