ラスト・ラン

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「今年もこのメンバーですか…。」 ただ今深夜の零時。 俺は目の前の相棒を見ながら重たい息を吐いた。 「何よ?何か文句あんの!?」 「…何もアリマセンヨ?」 「何かムカツク反応ね…まあ、良いわ。今年は“あの女”はいないみたいだしね。」 赤はそう言うと何故かニヤついていた。 てか、あの女って…黒守さんには聞かせられないな。 畜生!!黒守さん今年も一緒にまわってくれるって言ったのに…あの爺…許さねぇ…。 “爺”、一応サンタ会のトップで俺の爺さんである。 仲間内ではゴッドサンタと呼ばれている。 そのゴッドサンタ爺が俺の配達を手伝うと言ってくれた黒守さんに別の仕事を押し付けやがって…お陰様で無事に俺は厳しい現実を垣間見る事ができましたよ。 へへへ…今夜は長くなりそうだぜ(泣)。 「ちょっとサンタ!さっきからブツブツ独り言ぼやいてないでさっさと配達に行くわよ?」 「…うぃ。」 俺は重たい足を引きずり。 プレゼントの袋を引きずり。 後悔の念を引きずりながら艝に乗った。 すると、何故か隣に誰かがすでに座っていた。 「えっ!?」 「お兄ちゃん!」 そこに居たのは去年俺が拉致した少女、レイナちゃんが居た。
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