街での生活

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カーツは修理が終わりホセに報告した後、誰にも話さないようシツコイ忠告を受け、やっと解放された。 シンプルな家には灯りが点いていた。親方が帰っていた。親方に上手くやった事を告げた。親方は満足気にうなづいた。 「これでお前の母さんに恩返しが出来る。わしゃあな、お前の母さんにどんだけ救われたか」 と、何度も何度も聞いた話を親方はまた話し始めた。 親方はずっと酷い人生だった。小さい頃から親に殴られ、強盗をさせられ、食べ物がない時にはゴミ箱を漁った。12歳には家を飛び出し、独りで生きてきた。 社会のルールは刑務所に入った16歳に初めて教わったが勉強や働き方は教えてくれなかった。 また刑務所に入った。今度は勉強を教わった。それが電気関係の勉強。 何回も刑務所を出たり入ったりしたが、愛や優しさは誰からも教えてもらえなかった。 初めて優しさを教えてくれたのは50歳も半ば。カーツの母さんからだった。カーツの母さんは頭をいかれたフリをしとるだけだ。と親方はカーツに言った。本当はすごく賢いのだと。 「わしゃあ、母さんに抱きしめてもらった時は泣いたよ。腹がどうにも減って泥水をすすった時や初めて刑務所入った時ですらあんなに泣いた事はなかったんじゃ」 親方の毎度の話を聞きながら、カーツは母さんは、おかしくない時がある。だが大半の時は思考が止まってる。そう思っていた。 カーツは母さんよりも親方の方が心配だった。村から逃げられるのか?村の外で生活できるのか?
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