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無言のまま豚を解体していくエイミーを見てダグラスは拍子抜けした。
元から素直だったが、こんなにもアッサリと理解するとは思えなかった。だが、現実はエイミーは解体している。
「この場所を切るのね?」
エイミーの質問に我に返った。近づき、切る場所を教える。エイミーの指先は震えていなかった。
足元には細切れの人間の死肉。糞尿と血の匂い。異臭の中、血塗れの女の子。
次の仕事は豚を殺す仕事をするわ。とエイミーがポツリと言った。その言葉には感情がなかった。したいわ。でもなく、イヤイヤながらやるようでもなく。ただ強い意志だけがあった。
豚を殺す仕事は、睡眠剤で眠らせ豚の足を縛り、吊り上げ固定し電気ショックで殺す。そして首の軽動脈を切り血抜きする。そして次の豚の足を縛り吊り上げ…のくり返し。
断末魔があがる事もある。なかなか死なない豚もいる。痙攣する豚。電気で焦げた匂い。生暖かい血の匂い。
エイミーに耐えられるのだろうか?ダグラスはおおいに迷い、返事が出来なかった。
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