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エイミーを部屋へ戻した後にホセはダグラスに詰め寄った。
「エイミーをどうするつもりだ?」
「このまま村で仕事をさせます」
「三人も要らんぞ」
村人はホセとダグラスの二人に従って生きている。そこに女神でもあるエイミーが加わる。
村人は誰を選ぶか?迷わず女神であるエイミーを選ぶようになるだろう。
ホセは自分の立場が危うくなるのを自覚した。村長である自分よりも神父であるダグラスを選ぶだろう。だから上手く自分とダグラスの二人で均衡を取っていた。エイミーはお飾りのままでいて欲しかった。
ホセはため息をついてダグラスの目を見て言った。
「譲れんのか?」
ダグラスは確固たる態度でうなづく。ダグラスはエイミーの解体をそばで見れなくなる事はもう許せなかった。
「ホセ、貴方が至る所にカメラを設置してるのを知っています」
ダグラスもまたホセの嗜好を見抜いていた。
「神になれるとは思っていない。近づきたいだけだ」
ホセは言い返した。ダグラスはうなづく。お互い語らなくても知り尽くしている。見抜いている。その中で妥協し合うべき事もお互い分かっている。
「村人の尊敬をエイミーに向かない事」
ホセは言い、ダグラスはうなづく。
「エイミーをしっかり把握しとく事」
ダグラスはうなづき言う。
「貴方は村をしっかり把握しとく事」
今度はダグラスが言い、ホセがうなづいた。
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