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あれから10年が経ち、あたしは今でも信じてるんだ…
パパは絶対に此処に帰って来てくれるって…
西暦3082年様々な生物が存在し宇宙船が行き交う遥か未来…
ここは第4惑星シェンガ。
水と緑に溢れる豊かな星の大陸ルーティアにある街のアインシティの外れ。
「今から行くわよ。」
「はぁ?」
ここはベッドや本棚、テレビに、クローゼットがある六畳ほどの広さの洋室のセツナの部屋の中。
突然言い出したルカにセツナは驚く。
「…行くって何処にだよ…。」
セツナは溜め息混じりにルカに問い掛ける。
「何処に行くってそんなの決まっているじゃない。もちろん宇宙に行くの!!。」
ルカは得意気にそう言うと、立ち上がって空を指差す。
「ぷっ。お前が指差してんのは天井だろ。」
鼻で笑ってセツナは言う。
「ここは家の中だもんしょうがないじゃん!!」
ルカはじだんだを踏みながら言った。
そんなルカの様子を見てセツナは笑う。
「笑うな!!」
ルカは怒るが、それでもセツナの笑いは止まらない。
二人は旅支度整えると、戦艦の格納庫へやってきた。
中には全長280メートルの長さで、前部はやや尖った形、後部は丸みを帯びた宇宙戦艦ヴァルキリー。
戦艦の中央には1メートル四方の窓が30枚。窓から下の部分がホワイトのカラーリング、窓から上はグレーのカラーリングが施してあり、上部には砲撃用の発射口と、その両サイドには小型のミサイルの発射口がある巨大な戦艦である。
「あたしはね…信じてるよ…パパは生きてるって…。」
ヴァルキリーの左サイドに立ち、遠くに映る景色を眺めながらルカはポツリと言った。
「…あぁ」
セツナもルカの隣に立つと、静かな口調で言う。
「だから、…セツナのパパだって…みんなもきっと生きてる…」
ルカは照れ臭そうに、はにかむような笑みを浮かべてセツナに言う。
「行くわよ!!」
ルカは揺るぎない信念を宿した瞳で、真っ直ぐにヴァルキリーを見据え、表情を引き締めると、力強い口調で言い放つ。
「あぁ。」
セツナもそんなルカの気持ちを察して、クスッと笑みを浮かべて答えた。
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